かえってきた⭐️cui cui diary〜 ティータイムにessayを。

おもに旅日記、日々の中の新鮮さを保つこと。

ベスト⭐️旅アワード✈️

色々と旅行記を綴ってきましたが、
個人的に振り返って楽しかったマイベスト旅アワードを書きたいと思います。

ベスト⭐︎プランニング大賞⭐︎
『島根、阿部家と奥出雲の旅。』です

中身がなかなか個性的!な旅でした。
島根といえば出雲大社ですが、我々は、
「いま島根であついのは阿部家!そして奥出雲の餅!」というローカルな旅。
(過去ブログでは阿部家について触れませんでした)
阿部家は、石見銀山のある大田市のほうで、群言堂を手がける松屋登美さんが暮らす古民家の宿です。「ここには全てがある」、という大田から手作りの暮らしを発信するクリエイターの松屋さんご夫妻。いまでは100人以上の雇用を生み出す事業にまでなった。これはあついでしょ!と思い、腰かる〜く行ったのでした。当時は予約もとれましたが、今はどうかな?現代の口コミの威力はすごいです。ここの素敵なお風呂に友人と3人で入ったのがなつかしい。

そして餅好きの私が、当時の職場のグルメな上司に、一番美味しいお餅は?ときいたら「奥出雲のまるいし。」ということで、阿部家の翌日、奥出雲へ飛んだのであります。
奥出雲のあの棚田の風景、奥まってゆく不思議な雰囲気、水のきれいさ、たたら製鉄のこと、ヤマタノオロチ伝説の里、そしてパキッ!!と充電させてくれた温泉と朝日のこと。ほんとに良いところでした。

島根に行くなら、阿部家と奥出雲はオススメです!!(個人的にはとくに奥出雲。)
人もすご〜〜く、良かった。最近はよく奥出雲への移住をすすめる話を聞く。もし田舎暮らしに興味がある人がいたら、ひとつの参考になるかもしれない。

ベスト⭐︎ミステリー大賞⭐︎
ストーンサークルグラストンベリーの旅』

忘れられない夢のような旅。そして当時の自分がやりたいことを全部やりきった、と思った句読点のような旅。これ以降、やや暗中模索期間に入った。
ミステリーは美しく平和にそして力強く、そこにあった!イギリスは美しい!

ベスト⭐︎リピート大賞⭐︎
『富士周辺、河口湖の旅』
色々なところに行ってみたいので、1回行けばかなり満足なのですが、富士山の姿は何度でも拝みたいです。登りたいとは思わないのですが。
その気持ちを自覚するようになり、今年は5月〜8月のあいだに、三回も河口湖に行きました。異例です。私は富士山の姿がとても好きです。(そして河口湖周辺のほうとうは、「小作」がオススメです!色んな種類があります。混むけど回転率が良いので待つべし。)


ブログには書いてませんが、カヌーにも乗りました。
富士山からはいつも爽やかな風がふいてます。自分の中に似たものがあり、キラキラ洗われていくようです。日本人だからでしょうか、自分のルーツをかんじます。

そしてこのような方程式を発見しました!

ヨシナガムチゴケ

苔を見にいったときに、科学博物館の先生がすごく面白い苔のカルタをつくっていて、みんなでそれを読み上げたりして、色々名前を教わった。

素人には一回じゃ覚えられないものも多かったけれど、ふとした時に名前が頭をよぎって、あっ覚えてた!と思うものもあった。

教わった中のひとつに、ヨシナガムチゴケ、というのがあった。
たぶんヨシナガさんという研究者が発見して、ぺろっとめくると裏にムチのような細長いものが二本ついている苔なのだ。

その姿はなんとなく、エブァンゲリオンの第三使徒サキエルぽい、と私は思った。思っただけで誰にも言わなかった(のでここに書いてる。)。

先生、このムチのようなものは何でついてるんですか?
と聞くと、
先生は苦笑いしながら、
「生物の研究で、機能を解明するのが一番難しいんだ」、と言った。
つまりまだ分かっていないのだそうだ。

苔の世界はまだ謎が多いようだ。

でもきっと、生きていくのに無駄なものはないんでしょうね(無駄なものをわざわざ生き物は身体に残さないんでしょうね)、とわたしが言うと、
おぉ、名言だねぇ。
と先生は顔をほころばせた。

けれど、同時にふと思い浮かんだのは、
かの叶恭子さんが、「何も入らないバッグ」をコレクションしていることだった。

何も入らないほど小さく、バッグとしての機能を果たしていないのに、デザインのためだけに存在するバッグ・・。そしてそれをコレクションして愛でる感性と余裕・・。

そして思わずすぐに口をついてしまった。
「でも意味のないものを持ち続けることのほうがかっこいいかもしれない・・」
と言ったら、先生は「ん??」という顔をした。

その小さなバッグは小さな輝きで恭子さんの心にマーベラスな栄養を与えるのだろうか。
夕日をみたり、風にふかれたり、木を触ったりして私が何かをもらうように。

人の感性は「生き残る」という生き物のテーマを超えたところにあるようだ。

北八ヶ岳で苔を見た。

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友人に誘われ、北八ヶ岳の苔の観察会に行ってきました。

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f:id:ayutann:20171021104029j:imageなんと!f:id:ayutann:20171021104102j:imageなんと!

小さき宇宙の世界。地味だ!!地味!!

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地味だけど、森の始まりの姿をみた。

 

アイスランドにいったとき、そこは溶岩の上を覆ういちめん苔の大地だった。

苔は光合成により完全に自主独立した生命体(他の生き物から栄養をもらうわけじゃない)で、たっぷりと水を含んだ苔の大地の上に木が育つ。

 

北八ヶ岳は日本でも有数の、苔の名所で、最近はJR大人の休日倶楽部で吉永小百合がCMで訪れたことでまた注目を集めているそうです。

 

苔の観察は寒かったけど、苔を愛する人達の苔愛が素晴らしかったです。

 

そしてこの北八ヶ岳苔の会を育てた、通称苔じいのストーリーがとても印象的だった。

その聞いた歴史をいっきに書いてみます。

8年前から始めたこの活動、まずは山小屋の大将たちと苔じいで「苔の会」と名前をつけ、科学博物館の先生に連絡をとり観察会をひらき、苔の会の顧問をお願いし、北八ヶ岳が「貴重な苔の森」に認定され、行政に断られながらもなんとか補助金をとり苔の図鑑とパンフレットを製作、山小屋の大将がひとりで森に木道を設置、苔の会メンバーも日本蘚苔類学会に入会し、さらに北八ヶ岳で学会を主催、山小屋の大将も苔の研究にはまりだし学会で先生と共同発表するようになる、行政も動きだし苔の森開きの日には市長もくるようになる、観察会のある日にはバスを出してくれるようになる、ディスカバーJAPANにのり、アメリカのウォールストリートジャーナルに取り上げられる、そしてJRのCMで吉永小百合さんがくる!!

 

と今や静かなる苔ブームがおきているようです。

 

苔じいと山小屋の大将たちだけで始まった活動。一から全部やったからすごく面白かった、と苔じいは語りました。

 

地元の人の意識も変わったことが嬉しかったそうです。そう、苔じいはそもそも、地元民ではなかったのです!たまたま居合わせた縁が、ここまでになったそうで、わたしは苔じいの話しを聞きながら、人を活かすのは仕事だなぁ、そして仕事は自分でつくるものなんだなぁ、と思ったのでした。

 

そして苔の会メンバーは、いまや表向きの事は行政にゆずり、いまは苔のガイド活動をしながら、ミクロからみるマクロの世界の不思議、苔から考える命のはじまりについて、考え、問いかけ、次の世代に継承していくことを、楽しみとしているといいます。

 

(なんと苔じいはITにとても強く、今も全国でその技術力を活かし仕事をする、「ユビキタス(場所にとらわれない働き方)」を体現する方でした。かっこいい!)

 

私はアイスランドの苔の大地をみてから、少し苔に興味を持つようになった、あの風景は忘れられません、というと、

苔は最初に海から陸に上がった生き物だ、アイスランドではそのはじまりに近い姿が見れたのかもしれないね、と苔じいと科学博物館の先生が言ったのがとても印象的でした。(始まりの国、アイスランドへ。スナイフェルスネス半島編。 - かえってきた⭐️cui cui diary〜 ティータイムにessayを。

 

私には今回苔を通して出会った人が苔よりも印象的!という旅でした。

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 青空も見れたよ。

 

 

 

京都めぐり。

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のどかな大原。キンモクセイの香りが満開。

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昔はあんなにお寺が好きだったのに、今は変わった。

5年前くらいまでは仏像が好きだったので、

「お寺には色々あるけど、神社には何もない。」と思った。

それが今では、

「神社にはすべてあるけど、お寺にはあんまりない。」と感じる。

なぞなぞのよう!最近ではそれが自然のエネルギーかなと思う。

エネルギーは循環するので、神社では何か対話できるような感じがある。(富士山もそう。)

お寺は建物があって、エネルギーよりも人が主体の人のための場所のような気がする。

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 三千院の奥の宝泉院にてお茶を頂きつつ、母と姫様気分で写真とりまくり。水晶の君、と呼んでください。(手には暗殺者のようにクリスタルを持って!笑)

 

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三千院の下のお漬物屋さんにあった一輪挿しは、私が去年に霧島の妙見温泉で買ったものと同じで、聞くと同じところで買われたそうだ。偶然にびっくり!自分も旅歩いてるもんだなあと思った。(霧島の夏休み。その4 - かえってきた⭐️cui cui diary〜 ティータイムにessayを。

 

午後は山からおりて、たまたま乗ったタクシーの運転手さんのガイドにまかせて、はじめてのお寺に。

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終始キンモクセイの香りに包まれた、のんびりの京都めぐりを終えました。 

 

ディープな熊野と奈良の旅、おまけの京都。

とても贅沢な時間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

湯ノ峰温泉からの、京都へ。

参拝を終えてバスに戻った。玉置神社は社務所に有名なふすま絵があって、先生ともう1人の女性はそれが良かったそうだ。三者三様の楽しみ方をして、同じバスに揺られ村に戻る。

 

十津川温泉から今度は湯ノ峰温泉を目指す。

バスは外人さんが多かった。(「yunomine!」と英語がとびかう。ヨーロッパには多くのキリスト教巡礼の道があるので、熊野古道世界遺産登録後、多くの外国人観光客の関心をよんでいるようだ。)

 

 湯ノ峰温泉到着。

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湯ノ峰温泉は泉質が関西1だという。

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つぼ湯という公衆浴場は古くからあり、昔々、毒を盛られたお侍が逃げのび、ここで湯治をして復活したという伝説のお湯だという。

宿のお湯がとても良かった!源泉に一番近いので、湯の花がたくさん。十津川のお湯を濃くした感じだ。

1人だけど、ふた部屋もある広い部屋で、贅沢だった。

 

翌朝、宿のご主人と話すと、実はご主人の本業は別にあり、この宿は数年前に買ったのだとか。旅館は趣味だというけど、1人ですべてまかなって、睡眠3時間です、お盆の時期は1時間、というそのどこが趣味なのか・・すごいな!と思った。

宿はいつも外国人観光客で貸し切りなのだそうだ。昨日今日は珍しく、日本人の方ばかりでしたね、と言った。

 

色んな人生があるものだなあと感心してしまう。以前の宿の経営者が、玉置神社と縁が深かったとのことで、玉置神社の御神体について教えて頂いた。ちょっとだけ鳥肌がたった。

 

さて、翌朝のバスで湯ノ峰温泉から2時間くらいかけて紀伊田辺駅へ。

紀伊田辺駅から特急くろしおで新大阪について、お昼だったので、たこ焼きを食べて京都に向かった。

 

ホテルで母と合流すると、開口一番に、

「なぜだか分からないけどスイートルームに変更になった。」との事。

 

たまたま予約のとれた料亭にいけば、急なキャンセルがあったので今日じゃないと予約出来なかった、と聞き、

ラッキーが重なった。

 

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 琵琶湖の子持ち鮎

歴史ある料亭・菊乃井は、写真撮影はどうぞどうぞ、聞けばレシピも教えてくれる(でも聞いたところでそうそうできない)、板前も連休をとれるように働き方改革もしているそうだ。

(どこかのカフェが、私語や写真撮影を断るのがまったくバカみたいだ・・。)

 

山奥の秘境から都会へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

玉置神社へ参拝

朝ごはんを食べていると窓の外に野うさぎがみえた。きのう大斎原の河原で、小さなころころしたフンをたくさん見ていたので、やっぱり!と思った。

 

また宿の送迎で十津川温泉駅までいく。するときのうの運転手さんがいて、「このセンセイも行くらしいわ」と、玉置神社行きバスを待っていたお客さんとさっそく話していた。「ちょっとスケベェやけどな!」とがははと笑った。

 

玉置神社行きバス(世界遺産バス)は、なんと土日のみの運行で1日一本!

この日の乗客は私いれて3人だった。

 

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晴れ!

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山をのぼり、駐車場は標高1000メートルのあたりにある。ここから参拝する。(ほとんどの方はマイカーで来てます。)着いた!!

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景色を眺めてからいよいよ鳥居の前にたつと、ざわざわざわ〜〜〜っと風がたって木々が揺れ、太陽がぱあーーと現れだした。

 

よう来なさったぁー・・✨

と歓迎されてるのを感じた。

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歩いているとどんどん陽がさしてくる。光のカーテン。

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2つ目の鳥居の前でも、歓迎を感じる。

美しい。美しい。

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森をあるきながら、巨木の立ち姿に息をのみながら、無心に。

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長い参道をぬけ、本殿にお参り。熊野は魔除けの祈りの場で、玉置神社は熊野三山の総本山だそうだ。参道を歩くのがとても心地よく、けっこうな距離だったけれどあっという間についた。

本殿の裏に巨木な縄文杉があり、それを見ていると、うしろでパタっパタっと音がする。

振り向くと、1つの紙垂(しめ縄についている白い紙)が風で音をならしていた。一定のリズムで鳴り続けていて、はやくはやく、こっちに進めよ。と感じる。

(ここから心の中で「真面目はここまで!あとはファンタジー!」と無邪気な気持ちになった。)

 

まだこの先に、玉石社がある。

本殿前にもどり、目の前にいたご家族に、玉石社はこの先ですか?ときくと、分からないというので、とりあえず進む。

すると、道はどんどん頂上めざして険しくなり、休み休みしながら、どうにか登っていくと、丸い玉石がたくさん置かれた、玉石社に着いた。

玉置神社のもとは、この玉石社だそうだ。

 

しかし、すでに気持ちは頂上に向いていたため、さっと見て上に進むことにした。

なんだか、神社の中にいる時はあまり疲れとか身体の重さをリアルに感じなかったりする。ある種、ハイになっている模様。

 トレッキングシューズで良かった、と思う道を登りきり、登頂。

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クリスタルで雲描いた。

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魔法使いぽくかざしてみた。なんだか、やり切った感がすごい。妄想が叶ったので、この後自撮りしたら、すごい満足気な顔をしている自分に驚いた。

 

しばし堪能していると、さきほど本殿前で声をかけたご家族が登ってきた。お疲れ様でした〜!と迎えて、記念写真を撮り合いっこした。色々なタイミングが最高でした。

気をつけて降りてくださいね!と言ってくれてなんだかホッとした。

玉石社まで降りると、たくさんの人が座って休憩していた。地元の方はたぶんだいたいこの辺までお参りして、山頂にはそうそう行かないだろう。

意味不明だけど、木の根のはう山道を走り回りたい願望が小さいころからあって、ちょっとだけ駆け下りたら、すっ転んでストン!と尻餅をついてしまった。綺麗な尻餅だったので、キョトンとしてしまった。

しかしおかげで、

参道から外れた山中の石仏に、神主さんが祝詞をあげる姿がみえた。

 

下に降りてきて、最初の参道に戻ったとき、 歩きながら急に夢の中のような気がした。

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あっ、デジャブだ。夢で来てたな、高尾山にでも行ったきがすると思って起きた時があったけど、ここの気がする、と思った。

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 こうしてファンタジー炸裂の参拝を無事に終えました。

 

 ※まだ神社境内にはいくつも見れなかったところがあり、この参拝記はただ単に個人的ファンタジック日記です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熊野から十津川へ〜空の上から吉祥予報〜

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東京は小雨ちらつく日だった。

 普段は目覚ましなんかかけないので、早起きのためにアラームをセットしたら、いつ鳴るのか気になってねれなかった・・!

 

飛行機からは、綺麗な富士山が。

やっぱり富士山、好きだなあ。登りたいとは思わないけど、、

大きなもので、通り過ぎるのもゆったりと感じる。富士山と目を合わせているあいだは、心が空っぽになる。

 そして、雲には虹色の丸と、その中に乗ってる飛行機がなんかサメみたいに写ってた。

 

空の上より吉祥予報をお伝えします!

本日は良いことがあるでしょう!明日もあるでしょう!

 

そんな感じ。

すでに満足。

 

南紀白浜空港でバスがくるまで30分以上あったので、朝ごはんを食べようと唯一のレストランに入った。朝のメニューは1つだけで、本当はラーメンとか食べたかったなあ。

ここでおばあちゃんに、携帯の使い方を聞かれる。最近は道を聞かれるより携帯の使い方を聞かれる方が多い気がする・・。

 

熊野本宮行きのバスに、空港から乗ったのは、私をいれて3人だった。

空港からしばらくは海沿いを走り、そして街中へ入っていく。うとうとしてしばらくすると、なんか右足くびあたりでサワサワ〜と風が吹くような、そこだけぞわぞわする感じがしたので目を覚ます。外をみると、何とか王子と看板がみえて、熊野古道の近くにきているよう。なんか起こされたみたい。

 

空港から2時間くらいかけて、ようやく本宮大社前に到着した。ここでバスまで3時間あるので、お昼を食べて熊野本宮大社と大斎原をみる。

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大斎原(おおゆのはら)の鳥居を裏から。

この日は熊野も小雨で、それがまたよく似合うところだ。霧がかかり煙っている。たくさんのいのちうごめく気配。もののけ姫の世界。熊野は奥深く神秘的だ。

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 大斎原は、もともと熊野本宮があったところで、明治の大洪水のあと、いまの場所に移されたそう。個人的には昔、ここで和太鼓奏者の林英哲さんがライブをやり、それを家族で見に来た思い出の場所でもある。

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本宮。雨だ。本殿までの階段途中に宝物館があり、なぜかそこにボートが転がしてある。

こ、これはもしや、その明治の洪水の時に関係あるのでは、、と思って見ていると、料亭の板前のような服をぱりっと着たおじいさんがあらわれ、このボートの謂れを教えてくれた。どうやらこれは皇族(常陸宮)のもので、本宮の神主さんが殿下のボート仲間であったのでそのボートを譲り受け、置き場所なくここにこんな形で転がすように置いてあるのだという・・。よくこれを洪水と関係あるのかと思って見ていく人がいるけど違うんだ、と言っていた。そんな、洪水でここまできたなら、そりゃ地球滅亡ですわ、と言って、なるほど謎が解けました!とお礼を言った。

そのおじいさん、本殿前でも一度すれ違っていたけど、その雰囲気と目がめちゃめちゃ透き通って綺麗だなあと思った。

 

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さて、バスまではまだ時間があるので、いい感じの喫茶でのんびり。雨だし。

和歌山といえば紀州梅。梅ジュースがとっても美味しかった。梅の身をほぐした木のスプーンをガラスの器に入れると、熱でゆっくりと曇っていくのが綺麗だった。

ハガキを書くことを思いついて、かいてみる。なかなか良い時間になった。

友達のお母さんにあてて、手作りのお皿を頂いたお礼に。

 

そしていよいよ来た十津川行きの最終バス。乗客は、私だけ!

熊野から十津川村までは30分くらい。十津川村は東京都と同じ大きさがありながら、人口は3000人ほどなのだそうだ。

バスの運転手さんは生まれも育ちも十津川で、すごく面白かった。(※と思ったが、実は十津川村に方言はない(十津川は、古くから何故か勤皇の志士が多く、ここだけ非常に標準語に近い言葉になっているそうだ。)ときいて、この方は出身は十津川ではないのかもなぁ、と後から思った。)

お姉さん東京から来たってことは、大学でてるんやろ、エリートじゃな〜、東京の人はあれやろ、やっぱりみんな大学でてるんじゃろ。わしは勉強はさっぱりやな〜

というので、勉強できても心が健康のほうがいいと思う!と言うと、

でもあんまりアホはあかんやろ〜?

と、地元のガキ大将が大人になったような、めちゃめちゃ素朴で明るい太陽みたいなおじさんだった。

それで、毎日十津川の温泉入ってて肌が乾燥するから肌水を数種類ブレンドして使っている、

とか話をきいていると、地元のおじさんが1人乗ってきた。

久しぶりにバスに乗ったらしく、

運転手さんが

「犬、どうした?死んだか?」

「死んだ。12歳やった。」

「ほうか。わしものぅ、四国犬ちゅうのこうての。2匹おってな。」

四国犬か。あぁ、◯◯んとこの犬、紀州犬な、あれよう吠えるな。」

「吠えるな。バスにもよう吠えよる。」

「あれはあかんな。人に食いつきよるぞ。」

「ほんまな。こんなコロ(子犬)のときに食われたわ。」

(※方言はデタラメとなっております・・泣)

と、つづく方言の、その会話にただようものすごい味わい(?)とテンポに聞き惚れてしまった。

私が同じ内容の話を友達としたとして、こんな味はでない。

宮崎駿が、赤ちゃんの仕草をさして「こういうのも文化だから」と言っていたが、私はこの会話をききながら「これも文化だ!」と思った(?)。

なんだか耳に心地いいリズムで会話がぽんぽん続いて、私が喋ったら壊してしまう感じだった。

 

 さて、バス停からは宿の送迎車ですごい山道をとおりながら、温泉宿に到着。

迎えてくれたお宿の方も、すっごく目がきれい!なんというか、自分の内面の素朴さと近しいものを感じた。

どうか、その良さが守られますように。(そして確かに、この宿の方は方言でなく標準語のイントネーションで話されていたので、十津川の方かなぁと思った。)

 

十津川の河の音をききながら、温泉を満喫して眠りにつく。(十津川は温泉もとても良い。)

 一人暮らしして1番かわったのは、どこでも良く寝れるようになったこと。

 

明日はいよいよ神社へ。