前髪。

最近読んだ松浦弥太郎さんのエッセイで、2ヶ月に1回は髪をきっているのはいつだれに会っても恥ずかしくないように。というようなことで、やれそうなことはとりあえず真似する精神のわたしは、いつもより早めに美容院にいってきた。

 おなじみの美容師さんに連絡すると、「そろそろ僕の出番じゃないかと思ってました!」と気合い十分。

切りたいだろうに、しかし今回は松浦流早めの行動のため、前髪ちょっと切るくらいかな~もう少し伸ばしてまたボブにしたいしな、と思っていた。

 お店にいくと、なぜか侍のコスプレで現れた美容師さん。23日までは店員さんはみんな仮装するそうで、ほかにもガンダムの人(ガンダム知識ゼロ・・)、ドラゴンボールティンカーベル、ウォンカさん、新撰組がいた。そしてクリスマスはびしっとスーツになるという。

 

さて、龍馬になったいつもの美容師さんに、

「また伸ばしたいので、全体的に長さは変えずにそろえて、前髪きってください。」

というと、「えーと、伸ばしてどうしたいですか?なぜ伸ばすのかが大事です。」とかえってきた。

む~~、とりあえず伸ばすのはダメなの??!

あ「次はまたボブにしようと思って。(わたしにとってボブはのだめちゃんだ。)」

美「ボブというのもいろいろあります。ここできってもボブだし、ここでもここでもボブになります。(といって、アゴの上や下で長さを示す。)」

あ「長さがそろってるのがボブなの??」

美「と、思うじゃないですか。でもボブには前下がりボブもあれば前上がりボブもあるんです。実はボブというのは人の名前なんです。」

あ「ボブさん??」

美「そうなんです。昔、ボブっていう人がヘルメットをかぶってその形に髪をカットして、それがボブといわれているんです。だから、ヘルメットみたいな髪型をボブといいます。」

 

ボブの成り立ちの説明になり、なんだか今日の美容師さんは「なんとなく」を許してくれない。そこからどうまとまったのか忘れてしまったが、

「長さはあまり変えず、後頭部の立体感はキープして(絶壁なのでこれは必須のオーダー)、前髪をきる。」とした。

 

そして龍馬は刀をハサミに持ち替えた。

余談だが、ふとしたことから、ハサミやクシはお店で買ってもらえるの?と聴くと、「全部自腹っす。」とのこと。そしてこのハサミも憧れの先輩が使っていたメーカーのもので、今ではかなり手になじみ貴重な「相棒」なのだそうだ。自分で買うからこそ、ハサミを買うときに「もうこれでこの業界から逃げられないな、って覚悟決めるんです」と言った。

美「だからハサミだけは絶対人に貸さないですね。」

あ「料理人にとっての包丁と一緒だね!」

美「そうですね!」

と、いつもの感じに盛り上がった。

やがて前髪のカットに入るとき、わたしは悩みをうちあけた。

あ「なんか・・私の前髪って、左に流れる部分と右に流れる生え方のところがあって、分け目がすっきりしないんです。パフュームののっちみたいなきれいな真ん中分けとかあこがれるけど絶対むりそう。」

美「確かに分かれてますね。特にここの毛束だけ独立してますね。」

あ「そうなの!そこだけいっつも右に流してもまとまらなくてすごい邪魔で。かといって左に流すと変だし。・・わたしにはどんな前髪が一番あうんだろう?」

美「短いのも似合いますけどねぇ。この独立してる毛束は、短くしておくと良いと思います。」

あ「そっか。どうせ上手く他の毛束とまとまらないなら、いっそ短くして見えるようにしたほうがいいかもね!」

美「そうです。こういうのは、逆にかわいがってあげてください。」

あ「なるほど!自分のクセに抵抗するより仲良くしたほうがいいね!」

毛束単位でカットしてくれるなんて!悩みがひとつ消えていくようで、パァーと視野が明るくなった。

なんで今までこの独立毛束に気づかなかったんだろう。いつも誰かみたいになりたくて自分をちゃんと見てなかったなぁ、とおもった。

前髪全体の中でひときわ短くなった毛束は、わたしだけの理由でそこにいて、なんだか愛らしい。

また新しい発見したな、と嬉しくなった。

前髪再発見の日。

※※※

おまけ↓

家に帰ってマリリンに話すと、

マ「年取るとそこハゲるわよ。それでおでこが広くなるのよ。」

と言われて爆笑した。

いつか抜けさるかもしれない毛束だけど、今は大切にする!