しゃがんで水の中をじっとみると、小さなエビみたいな虫みたいな生き物が、ピュンピュン泳いでいた。
靴下を脱いで足だけちょっと浸かって、冷たいのですぐに平たい石の上に足をペタペタさせて温めた。石はほんのり温かくて、足は乾いてさらさらした。
みると、周りは平たい石だらけ。
ふと、足元のグレーの平たい石にちょこんと乗っている、紫の石に気がついた。キャンディくらいの大きさで、どうしてこんな風にちょこんと乗っているんだろうこの石、と思った。
長い長い川を水に運ばれてくるうちに、転がり削られ丸くなり、何かがあっていまはここに転がる石たち。そんでもってこの紫の石にはまたべつの何かがあって、いつからかこの石の上に乗っている。
誰かが置いたのかな?(ねぇねぇ。)と存在をアピールされたような気持ちになって、左手にとる。う〜ん、特別綺麗てわけじゃないけど、なんか目が合ってしまった感じ。もって帰る?思い出に?でも部屋に置いたらただの石になっちゃいそう。
しばらく左手のなかであたたまる石。今までどんなことがあったのかな?
しばし時を一緒にすごして、1度川の水で洗って、また見つめる。
うん、置いていこう!
なんとなく、また違うところの平たい石の上にちょこんと置いた。
いまここにこの石がある理由はわたしが置いたから。
これを誰か見つける人がいるかな?おや?と思う人がいるかなぁ。
いまどうしているかな。
高知の仁淀川(によどがわ)。この旅行は、1年に1度あるかないかの、洋服コーディネートミスをしてしまったことが悔やまれました。