かえってきた⭐️cui cui diary〜 ティータイムにessayを。

おもに旅日記、日々の中の新鮮さを保つこと。

始まりの国、アイスランドへ。ミーヴァトンより北編。

ミーヴァトンの朝。

 
朝は湖のほとりにお散歩へ。緑のクレーターに羊が集まっていた。羊たちに向かって、太極拳も練習した。
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じつはミーヴァトンは『蚊の湖』という意味で、ここにはものすごい数のユスリカが飛んでいる。でも刺さないので、ウヨウヨ飛んでいて服や顔に当たってくるだけ・・
朝は曇りだけど湖面は鏡のようで、カモたちがスワァー・・っと湖に着地して水面に弧線を描く姿はとっても綺麗だった。
そして、あまり知られていないのだけど、ミーヴァトンにはマリモが群生している。じつは世界でマリモが群生しているのは、このミーヴァトンと北海道の阿寒湖だけなのである‼︎(cuicuidiary『道東の夏休み』よりhttp://d.hatena.ne.jp/ayu119/touch/20141009/1412861308
 
朝ごはんは、湖が見渡せるホテルのレストラン。自然の風景に囲まれるとゆったりした気持ちになる。今朝はピックアップまで余裕があったので、お茶を何杯も飲んで、まるでツマミのようなチーズやイワシの佃煮のようなものをチビチビやってしまった。
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急にぽっかりと、ゆったりした時間が訪れて、物思いにふけってしまう。
 
さて時間になりホテルの前でピックアップを待てど、バスはこない。20分くらいすぎてもこないので、フロントで電話してもらうと「今向かってる!」とのこと。
少々心細かったので、ホテルの前でiPhoneボイスレコーダーに録っていた、『上を向いて歩こう by ヤマネコ&あゆみ』にあわせてみっちょんと口ずさんで気を紛らわす。
あ&み『〜🎶 ひとーりぼっちのよるぅ〜🎶』
あ『・・・。』終了。。
み『・・バス、こないねぇ。』
といっていると、ようやくバスがきた。
 
今日のツアーは、きのうの私達のようにアークレイリから乗ってきたインドの四人家族と、私達の2組。
お父さんお母さんとお嬢さん二人で、香港で暮らしているそうだ。とってもフレンドリーだったので、ジェニーさん方式でさらっと「みちよです。あゆみです。」と名乗ると、お父さんが家族全員の名前をさらさらっと言ってくれたが、どれもなじみがなくて一つも覚えられなかった。でも賑やかな家族だったので、つられてたくさん英語を話せた。
 
最初に行く溶岩公園だけ昨日のツアーとルートがかぶったけれど、今日の女性のガイドさんはとても物知りで色々教えてくれたので、2度目の溶岩公園でも新たな発見があった。溶岩たちはトロールという妖精に例えられ、夜になると動きだしお日様にあたると岩になってしまうという。アイスランドの人はやっぱり信じてるの?ときくと、「全然。」とガイドさんは言い、溶岩公園散策のあとも、「さぁ、トロールは見つかった?」とちょっと皮肉めいた感じだった。
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トロールが集まって内緒話してるところ↑
この溶岩たちは触るとものすごくザラザラギザギザしてて、傷だらけになりそうな感じ。あのふかふかの苔たちはほんとに偉大な存在だ。
途中、岩の上にメガネが忘れられていて、「あ、これはトロールのメガネだね!」というとインドのお父さんが爆笑した。
お父さんは、「インドでは女性の名前で‘アユシ’というポピュラーな名前があるから君の名前は覚えたよ」と教えてくれた。アユシ・・アユ氏?
 
さて、この日の1番の見どころは、巨大滝デティフォス‼︎
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対岸の人の小ささが分かるだろうか。
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文句なしの滝!
じつはデティフォスにたどり着くまでにこんな道を歩いている。
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ここは昔、氷河のとけた水が流れたあとだという。もう地球じゃないみたいな。
滝の近くには「ドローン禁止」の看板があった。シンクヴェトリルのゲイシールでとばしてる人がいたけど、あちこちにいるようだ。
ちなみにここはライフラインが何もないので、簡易トイレがあるのみ。
 
ちょっと低くて広い広い空をみながら、溶岩の上に座って買ってきたお昼を食べた。果てしないところだった。
 
その後は、「ここからは道が悪いので運転に集中するため、話せません。」とガイドさんが前置きして、ほんとにものすごいガタガタの道を30、40分は進んでいった。(このツアーが間違いなく1番ハードだった気がする。)
そうして着いた先はまたも溶岩づくし。
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ここは、クレーターが氷河のとけた水で真っ二つにされたところだそうだ。結局水の力が1番強いのかもしれない。
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↑そして急速に冷やされたマグマはなんとペンタゴンになるのだった。無数のペンタゴンにびっくり。
丸という形は自然界ではナチュラルじゃないとガイドさんが言った。
 
さて観光は続く。だんだん晴れてきた。
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北なのにレイキャビクより暖かいからこんなに木が茂るところもある。
 
そしてついに、パフィンも見れた!
(パフィンは夏にアイスランドで子育てする極楽鳥である。)
でもパフィンより、そのスポットにびっくり!崖っぷちだ。
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ガイドさん「パフィンならここから見れるよ」
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確かに見れたけど、こんな崖っぷちにたったの生まれてはじめて。パフィンは遠かった。
みっちょんはカモメの飛行を真近でみて、「すごい!8の字に旋回してる!」と発見をしていた。
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夕方でもこの明るさ。
 
この日は移動距離がものすごく、くたびれた。
夜21時くらいの飛行機でレイキャビクに戻るため、最後はアークレイリの街で降ろしてもらった。丸一日すごしたガイドさんが最後に何か心のこもったことを言ってくれたけれど、サンキューしか言えなくてちょっともどかしかった。
 
夕食を食べて、昨日きたあの小さい空港に戻る。
小さな空港の小さなロビーで、お茶を飲もうと売店に行くと日本人男性がレジに並んでいた。呼び出しベルを何度ならしても店員さんは来ず、スタッフルームみたいな部屋を覗いても誰もいなかった。誰もいませんねぇ、と言っていると、エプロンをしたおじさんがたくさんの袋をかかえて、えっさほいさ戻ってきた。
「はいはい、どうもすみませんね。」と戻ってきたので、わたしは紅茶をたのんだ。
レジの左にティーパックが並んでて、お湯を自分で入れるようになってる。見ればわかるけど、おじさんが「どれ、説明しましょう」とわざわざ出てきてくれて、おかわりできますからね、と言った。
あったかいお茶に心底ほっとして、飛行機がきたのでコップをさげにいくと、おじさんは西陽をうけながら、売店の窓から飛行機を眺めていた。
きっとおじさんが毎日みてる風景。どんな気持ちなのかなぁ。
と後ろ姿をみて思ってしまった。
おじさんは振り向くと「おかわりはいかがですか。まだ一杯しか召し上がってないでしょう。」と言った。
「もう時間なので。」というと少し残念そうに、「そうですか。では、たぶん、スイーツがなにかいるでしょう。こちらをどうぞ。」といって、クレープを一つくれた。
なんとも心温まる時間だった。
今日もおじさんは飛行機を眺めているのかな。あの小さな売店はあのおじさんがいることで世界で一つのお店になっている。
 
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22時すぎ、無事にレイキャビクのゲストハウスまで戻ってきた。やっぱりここの部屋は居心地よく、「ただいまぁー!」という感じだった。
ゲストハウスで最後の夜だ。