かえってきた⭐️cui cui diary〜 ティータイムにessayを。

おもに旅日記、日々の中の新鮮さを保つこと。

西仏の夏休み〜サン・ジャン・ドリュズとサン・セバスチャン〜

目が覚めたら玄関で音がしたので見てみると、友達が朝散歩に行くところだったので、寝起きのすっぴんで便乗した。
疲れがとれているのは、昨日の夜のレストランで食べたにんにくたっぷりのタパスのおかげだ。

にんにく臭を振りはらいに、海まででる。





まだ寒い。スーパーによって、自ら機械でオレンジを絞って作る、フレッシュオレンジジュースを買って帰った。
部屋に戻ってジュースを飲もうとすると、すべての瓶にまんべんなく小さな虫が2匹ずつくらい入っていた。ひえ〜〜!
オレンジを絞る機械の上のカゴにはオレンジがどっさり入っていて、ボタンを押すだけで自動的に絞られる機械だったけど、カゴには蓋も何もないので虫もがんがん入ってしまうようだ。
そういえば街中でよくハエをみた。部屋にもぶんぶん入ってきていたし。

今日は友達の旦那さんはのんびりやすみ、女子2人は買い物にいそしむことにした。
バスクシマシマ柄のカラフルな布が有名なので、ランチョンマットやテーブルクロスをわいわい吟味して、私はビーチにしく黄色とグレーの大きな布を買った。




朝から熱心に物色し、マーケットでたくさんお惣菜を買って、行列の出来ているパン屋にもならんでわいわい選んでいたら、前にいたフランスマダムが何やらフランス語で「どれもこれも美味しいわよ」と言ってくれた。




まだまどろんでいる友達の旦那さんにお土産としてお惣菜と好物のパンオショコラを買って帰った。

まだまだ物欲おさまらぬ私たちは、あれ買う?やっぱやめる?あっちにもまだ見てない店が、などと話し合い、やや旦那さんに引かれていた。

だんだんと陽が強くなり、気づけばすっかり泳げそうな夏日になっていた。折しも午後は2時半ごろまでどこのお店もシェスタに入ってしまうとのことなので、私たちもここぞと水着に着替えてビーチにくりだした。

さっき買ったビーチ用のリネンを広げて使う。
買ってよかった!さっそく使う爽快さ。リネンの肌ごこちがとっても良い。
ニースとは違って綺麗な砂浜で、なんとか日陰を確保できた。もうシーズン終わりなので人は少ないけれど、まだトップレスでがんがん焼いてる人もいる。

海は凪で穏やか、砂はさらさら、そして水はものすごぉーく冷たかった。日差しは夏日とはいえ、海水はもう秋。それでも外人さんたちはゆっくりゆっくり泳いでいて、私たちもかなり時間をかけて少しずつ少しずつ海につかった。
透明な水の下には小さな魚たちが泳いでいる。
なんとか肩まで入り少し泳ぐも、ときおり温い海水と、冷たい海水が交互にきて、ひやっとする。まるで水風呂。
それでも波が穏やかなのと、空が抜けるように綺麗なので気持ちよかった。

暖まりにまた浜辺へ。ごろごろのんびりする。
外人のすごく日焼けしてる年配の人たちは、もう肌がシワシワでシミもすごい。でもスタイルよく姿勢よく、お婆ちゃんもビキニを着てすごくかっこいい。自分のぽっこりしたお腹と丸い背中をふっと伸ばしたくなった。そして、金髪にオリーブグリーンの水着はとても映える。綺麗だなぁとしみじみ見てしまう。だまってしみじみと、ごろごろした。

午後は、この旅で1番お気に入りのエピソードがある。(やっと書ける^_^)

ふたたび買い物にくりだして歩いていると、落ちてきた鳥の糞が友達の腕にぽとりとついた。
「あっ!!糞が!!」
と、ちびまる子ちゃんのように2人でガーン!としていたら、通りすがりのとても上品なマダムが、自分の首もとにまいていた綺麗なピンクのストールでためらいなく拭こうとしてくれたので、私たちはno!no!(ストールが汚れます!)といって、ウェットティッシュを出した。
するとマダムは、何かフランス語で、
「運がついたのよ〜♪」という雰囲気の明るいことをジェスチャーとともに歌うように言って去っていった。
鳥の糞が、いっきに素敵な思い出になってしまった。


バスク柄のランチョンマット。
そしてもうひとつ、サンジャンドリュズの名物といえば、元祖マカロンである。

サンジャンドリュズは、かの太陽王ルイ14世が結婚式を挙げた街だそうで、その時に献上した元祖マカロンだそうだ。いまのカラフルなマカロンとは別物だけれど、素朴なしっとりクッキーで私はけっこう好みだった。


夜はスペインバスクのサンセバスチャンにピンチョスを食べにいった。車で1時間ほどの距離なのだ。




サンジャンドリュズより都会だ。

スペインの人は8時くらいまではピンチョスをつまみに飲み、夕食は9時〜10時ごろなんて話も聞いたけれど、これだけのつまみを食べたらお腹もいっぱいだ。




二軒はしごした。好きなだけお皿にとって、レジでお会計をして席にいく。値段はそれぞれ違うので、店員さんにきけば教えてくれる。
どれもこれも美味しかった。ただただ海老を焼いたやつでさえ、美味い。

ピンチョス屋さんで隣の席になったマダムが日本人離れした日本人で、イギリス人の大人しい旦那さんと、年の半分はアリゾナで、あとの半分はエジンバラに住みながら、旅歩いているという。スケールが大きくて、そんな暮らしの人が本当にいるんだなぁ、、と思った。
ここサンセバスチャンではただいま映画祭をしているらしく、それに行くのだと言っていた。
優雅な暮らしの中にも、暇を持て余すような感じも見えなくはない。旅ってなんだろう?豊かさってなんだろう??
色々な刺激を受けた。

ピンチョスは、美味しい!もしかして、スペインバスクの方がフランスより美味しいかも??と予感しながら、最後はレストランにも入ってみた。




ホワイトアスパラガス、アンコウのフリット
美味しい。
写真はないけれど、フキのような野菜の煮込みも優しい味で美味しかった。
間違いなく、スペインのごはんは美味しい!と確信。

スペイン語も分からないけど、不思議とぜんぶ通じあって、とっても気のいい人たちだった。
こちらはずっと日本語で、店員さんはスペイン語で、
あ(日)「あれ?これで終わりだっけ」
店(独)「まだお肉がありますよ」
あ(日)「あっそうだ、お肉でしたよね」
店(独)「そうです。お皿をさげますね」
あ(日)「ありがとうございます」
店(独)「これ、トイレに忘れませんでしたか?」
あ(日)「あ!私のサングラス!すいません〜」
という感じで。笑

人生初のスペインはとても良い時間。

そして駐車場に戻ると、なんと、
車のボンネットを開けて、小さな子猫を撫でている人たちが。
友達いわく、ボンネットの中は暖かいので、よく猫が入り込んで寝てしまうらしく、発車まえにボンネットをバンバンたたく、「ネコバンバン」という習慣があるのだとか・・。(本当??)
あの猫はネコバンバンの結果、助かったのではないだろうか・・?
と通りすがりに思ったのだった。