はっと目がさめるとまだ夜中の2時半。白夜なのでカーテン越しに外は明るい。変な感じ!またもぞもぞして、次におきると6時半くらいだった。外は、晴れていた。
初日は10時からのツアーにしたので、ゆっくり準備ができた。この旅の標準装備は、長袖シャツ、セーター、フリース、風がつよければウィンブレも着て、登山用の靴だ。アウトドアウェア100%で、おしゃれ感は望めない。
朝はゲスト用の紅茶をいれて、昨日スーパーで買ったサンドイッチを食べた。ちなみにアイスランドでは水一本でもガム1個でもカードが使えるので、旅行者には便利。わたしはついに最後まで一円も両替しなかった!
ピックアップ場所にて、バスを待つ。通りにはあまり人がない。なんて静かな町だろう。ツアーは全部英語だし、置いてかれないようにしなきゃ。なんだかどきどきしている。白いバスは時間通りに登場した。何ヶ所かでピックアップをしながら、バスは海岸沿いを走り出した。湾の向こうには緑色の、上が台地のように平らな山が連なっていた。山というか、周りが陥没して残ったところが山のように見えているようだ。
バスは大型で、乗客は20人以上はいたと思うが日本人はいなかった。車内ではガイドさんがいろいろお話してくれる。今日はお天気がよくて山もとても綺麗にみえるしラッキーな日だそうだ。
にっこり!とてもいいお天気で、手元に六角形の光が。のちのち自然の中に私たちはたくさんのペンタゴンを見る。(写真は寒そうだけど、最初なのでちょっとあったかくしてました。)
ギャウの向こうには大きなシンクヴァトラン湖。アイスランドには水がたくさんある。さて、集合時間のテントゥートウェルブまでわれわれに与えられた時間は、なんと賞味15分ほどだった。「あぁ、むこうまでは歩く時間ないから、ここで折り返さなきゃ」とバスに戻る。朝がゆっくりのツアーは、どうしてもこうなってしまうのだ。
次には車内で「ゲイシール」となんとか聞こえ、どうやら目的地は間欠泉のようである。ここにはレストランもあって、各自お昼&観光で1時間の滞在だった。けっこう忙しい!まずは食事をしにお店に入ると、フードコートのようになってて、好きなものを選んで取り分けてもらって、お皿を持ってレジでお会計となる。
このラムのお肉が柔らかくてクセがなく、周りがかりっと香ばしくてとっても美味しかった。アイスランドのご飯がおいしいというのは本当だ、とここで納得した。みっちょんのミートボールもとても美味しかった。
30分くらいでご飯をたべて、間欠泉をみにいく。
ガイドさんが7分に1回くらい吹きでると言っていた。行ってみると、茶色の土の大地から何カ所にも水が湧いていて、もくもくと湯気がたっている。水が小さな川のように流れたところは白くなり、硫黄が含まれていることがわかる。そこらじゅうで温泉がわき出しているのだ。
間欠泉を囲んで観光客たちはその瞬間を待つ。中にはドローンを飛ばしているひともいて、あれが間欠泉に飲まれて制御を失い私たちにつっこんできたら・・と想像してしまう。
間欠泉は、うっすらと青いお湯がくしゃみでも我慢してるようにすっと引いたり湧いてきたり、その触れ幅がだんだん大きくなって、うぉ〜〜〜!っという勢いとともに一気に盛り上がって、ぶしゃ〜〜〜〜!と吹き上がった。1回目は「お湯かかる!」と思って反射的に「きゃあ〜〜〜!」とリアクションしたものの、周りのみなさんはとても静かにみていて、わたしたちも2回目からはたんたんとカメラを構えてしまった。昔イッテQで出川が釣り竿の先に肉をぶらさげてしゃぶしゃぶに挑戦したというイエローストーン国立公園の間欠泉に比べたら、小ぶりなかわいい間欠泉だったと思う。
バスにもどり、次いってみよう!
グトルフォス!(フォスが滝という意味だと思われる。)滝の左側に映る粒のような人を見ると、この大きさがわかると思う。アイスランドの滝は不思議なのだけれど、バスに乗って滝に着いたといわれても、まず見えない。見渡してもどこにも滝はない。しかしそこにいくと、足下にこのように流れているのだった。
かなり遠くからでも水しぶきがミストのように飛んでいて、すがすがしかった。
み「あの滝って、夜もずっとながれてるんだよね。」
あ「それ、ぼのぼのでも全くおなじこといってたよ。誰もみてなくても流れてるのかな、って。それで薄目で見てみたり、急に振り返ってみたりするんだけど、やっぱり流れているの!」
水が枯れないとうことは不思議だ。私たちが生きる年数の単位くらいでは枯れることはない長い時の中に、アイスランドは生きているのかな。
このあとみっちょん巨匠から「滝はおとこだと思う?おんなだと思う?」と聞かれたけれど、なんて言ったかわすれちゃった。。でもそんな感覚でいろいろみっちょんは掴んでるんなぁさすが!と思った。
バスからの風景は、黒っぽいごつごつした溶岩でできた石の大地を、もけもけと覆う一面の苔だった。苔が凹凸を丸くさせクッションになり、そこに草がはえ、少しのお花も咲いたりする。黒と緑とグレーと紫と白と、そんな感じの色合いだった。わたしは、少し寂しげだなぁと思っていた。生き物にはなかなか厳しいところだ。でもこうやって、どこからともなく苔は生える。大地を覆い、苗床となって他の命を根付かせる。
そしてほんとに遮るもののない広い広い空。なぜか空が低くみえて、どうしてもいつも高いところにいるような気がした。低い空と一面の苔。これが今振り返れば思い出されるアイスランドのイメージだ。
分刻みのスケジュールで観光をこなすと、一日はあっけないほどあっという間だった。ゲストハウスにもどり少し休んで、夕食のためまた出かける。今晩はみっちょんが予約してくれていた「Resto」というお店にいった。レストランではだいたいフィッシュスープかミートスープがあり、どちらもピリ辛であたたまる。ここのフィッシュスープはトマトクリームスープで美味しかった。メインもすごいボリュームで、お魚がとても美味しかった。みっちょんとの去年のイギリス旅行を思い出した。あの時もこうやって美味しいお魚のお店予約してくれて、あの時も楽しかったけど、ご飯はイギリスよりアイスランドのが美味しいね!!
あっというまの一日が終わった。
帰り道、人気らしいベーカリーで朝ご飯のサンドイッチを買いつつゲストハウスにもどって、最初は律儀に部屋の鍵などかけていたのだけれど、隣の部屋の人があけっぱなしだったり、お風呂上がりに適当なかっこで歩いている他の人をみると、だんだん家のように思えてきた。
今夜も白夜の照らす明るい中シャワーをあびて、明るいなか就寝。
明日はちょっと朝早いのだ。