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はじまりの国、アイスランド。シルブラシュノーケル編。

夢で誰かが面白いことをして、爆笑していた。目が覚めた時にはまだお腹の奥からぐうっとその笑いのエネルギーが湧いてきていて、ぐふふ・・と薄ら笑いながら起きた。エネルギーが見せた夢だ。

 
さて、そんな愉快な気持ちでベットの中で目をさますと、みっちょんも目が覚めている様子。そのままぼそぼそとおしゃべりをはじめた。
み「そういえば玄関に写真があったけど、あの人がオーナーかな?」
あ「写真て、あの男の人がトナカイをたおしてるやつ?」
玄関にはトナカイをハントして「やったぜ!」というような男の人の写真があった。
あ「アイスランドではトナカイたおして一人前みたいなことなのかな」
み「あゆたんならさ、トナカイたおした写真を玄関にかざる?」
あ「う〜〜ん。玄関には飾らないかもしれないけど、翌年の年賀状にはするかな(笑」
み「はっ!毎年、干支をたおしていく・・!」
あ「なにそれウケる!龍とかどうしたらいいの?」
と、ここから突然みっちょんが武井壮の話しを熱心にはじめる。気づいたら寝起きにこんなことで盛り上がってしまっていた。
 
さて着替えてキッチンにいくと、今朝はスイス人の男性がひとりいた。どうやら昨日の夜に家族と着いたそうで、先に起きて朝食の準備をしているそうだ。優しいお父さんだ。ところでここのオーナーに会った?と聞くと、さっきシャワーをあびてる間にきたようで、妻と話していたようだが自分は会ってないと言った。トナカイの写真の人かはわからないけれど、男性のようだ。
しかし、いつどこにオーナーは現れるのだろう?このまま会えなくても大丈夫なのだろうか?ここは快適だけど(バスタオルの替えがないこと以外は。)、オーナーとの接点だけが見つけられないのだった。
 
私たちは今朝はサンドイッチと、餅をゆでて食べた。実はわたしは大好きなお餅を持参していて、ゴマとか桜えびとかの4種類の薄いお餅セットで、トースターは必ずあるはずだから餅もやけるはずと持って来たのだが、あいにくトースターはパンを一枚ずつ縦に入れるタイプのだったので、しかたなくゆでることにしたのだった。今日はちょっと体力つかいそうだし、みっちょんと「一日一餅 力持ち!」という合い言葉を作って食べる事にした。
鍋で茹でていると、不思議そうにスイス人男性がみている。(この時私たちは名乗るのも名前をきくのも忘れていた。)これはお餅というお米からできたもので、ほんとは焼きたかったけど、茹でてもおいしいよこのままだとあんまり味ないけど。
というと、へぇ〜〜と言ってずっと興味しんしんなオーラをだしているので、良かったら一枚たべませんか?というと、「いいの?じゃあそのはじっこ少しでいいよ!」というので、少しあげた。「チューイングガムみたいだねぇ!」と言っていた。「アイスランドで日本のモチっていうの食べたんだぜ。」と思い出になってくれたら幸いだ。
お礼に、アイスランドのおつまみみたいな、干した魚のスナックを分けてくれた。日本でもちょっとおなじみの乾きものおつまみという感じで、ここではバターをつけて食べるそうだ。
スイスの温泉話し(混浴で全裸で入るらしい。)など話しに花を咲かせているうちに、あっという間にピックアップの時間が来てしまった。
 
今日は、なんとシュノーケルをするのだ!(だから餅をしっかり食べた。)
と言うとスイス人男性は「・・No!!」と言った。確かに極寒の地でシュノーケルとは信じられないかもしれないけれど、こういうツアーがあるのだった。
彼らは今日からレンタカーでアイスランド一周にでるらしく、もう朝食後にはここをチェックアウトするという。わたしたちも明後日には北のアークレイリにいく予定なので、そこでまた会うかもしれないね・・!
といって、あわただしくちゃんとバイバイと言わないまま出てしまった。
 
しかし、ピックアップバスは定刻にこなかった。大した遅れじゃなかったけど、当日の天候によってツアーの開催が左右されたり、予定の急変はアイスランドではよくある事らしいので、すこしどきどきした。でも、今朝もいいお天気だ。
みっちょんが「あと25分待ってこなかったらアイスランドリームに電話する・・。(5分後)あと20分待ってこなかったらアイスランドリームに電話・・」と迷子のこどものように小刻みに呟やく。そしてなぜか朝ごはんのサンドイッチのチリソースに唇をやけどしてしまっていた。(←こんなこと書くな??)
けれども無事にバスはきて、トムというガイドさんが車からおりてがしっと握手してくれた。運転しているのはレイチェル。
車はまた昨日と同じ海岸沿いを走る。海の向こう、山の上の台地から雲がゆっくりとしたたり落ちるように流れている。きのうとは少し違う朝の光景でとても綺麗だった。
 
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今回はバスを乗り換えることなく、そのままシンクヴェトリル国立公園のポイントにいった。

シルブラというポイントは、溶岩の台地を30年もかけて通過しながら濾過された水が、プレートの間を流れシンクヴェトラン湖に注いでいるという。

 

みっちょんはシュノーケルは初めて。後であわてないように、バスの中でわたしが知っていることを説明しておく。(おととしのドルフィンスイムをやっといて良かった!)そしてあとは何かあったらトムに助けを求めよう!というと、

み「百獣の、トム!」

と、まだ武井壮に染まっているのだった。

 

広々とした原っぱのようなところにバスは着き、たくさんの他のバスと、干してあるドライスーツやテーブルや、シュノーケルを終えたような人たちが集まっていた。

その活気をみるとなんだかどきどきしてきた。いよいよだ!

同じバスの前の席に座っていた女性に、みっちょんが「シュノーケルはじめてなんです。」というと、「私もよ!どきどきするわよね!わたしはジェニーよ。」と握手をした。(あっそっかこうやってサラッと名乗らなきゃ、と学ぶ。)ジェニーさんはオーストラリアから来ていて、一緒の友達はフランスから来たという。他にアメリカから来た若い女の子二人と、カップルが1組、それと私達の8人は、トムではなくレイチェルのチームだった。

 

いよいよ、ドライスーツに着替える。

シルブラの水温は年間通して4度ほどだそうだ。服装は、ユニクロヒートテック長袖にわたしはセーターをきて、下はヒートテックのスパッツに厚手の靴下。

その上からスキーウェアのような繋ぎの保温スーツを貸してもらえるので着て、ドライスーツを着る。

腕にがっつりタトゥーのあるかっこいいお姉さんインストラクターが、さばさば面倒を見てくれた。日本にとっても親しみをもっていて、私達に興味を持ってくれた感じだった。

さてところで、経験者は知ってるだろうがこのドライスーツを着るのがめちゃめちゃ大変!

まず足をずぼっずぼっと入れて腰まではく。次に手をすぼめて、手首のキツいゴムに手を通す。おりゃっと腕を通して、今度は首のキツいゴムにそりゃっっといっきに頭をとおす。ゴムから頭がすぽっと出た瞬間は、まるで暗い産道から再び産まれたような感じだ。

そして誰かに背中のファスナーを閉じてもらう。首のゴムを内側に折り込んで、浸水しないようにピチっとさせる。これでかなり身体が圧迫されるのだが、次がいよいよ最難関のマスクだ!

マスクというか頭を覆うもので、かぶった完成図は、もじもじくんである。

こ、これに顔を入れるのですか??

という小ささで、まずアメリカ人の子がニット帽をかぶるようにいっきに頭を入れようとしてみた。

「oh my god!I can't...!」と、顔をあげた彼女の目にはもう笑いが宿っていた。

自力では頭が入る気がしない!マスクを前にもう笑うしかない。

レイチェルがきて、2人がかりでマスクをかぶせていった。わたしもみっちょんにかぶせようと、「よし、行くよ!」と言いながらもう笑っていて、手に力が入らないのだった。

「ちょ、ちょっと待って!(爆笑)」

「よし、こんどこそ行くよ、せーの」(←もう笑ってる)

「ちょ、ちょっと待って待って!(爆笑)」

の、繰り返しでもう涙が出てきた。

結局レイチェルにやってもらって、手袋もつけて、やっと準備完了!もう寒さなんて吹き飛んだ。(ちなみに、髪の長い人はマスクの下から髪の毛が出ます。なんかプロレスラーみたいに。)

 

フィンとシュノーケルを持って、黒い隊員達(?)がぞろぞろとポイントまで歩く。

ポイントには台地の割れ目があって、そこに階段がつけられていて、下にはものすごく澄んだ冷たそうな水が流れていた。お天気が良くて良かったねぇ!と話す。

前のチームがもぐる準備をしていたので、順番を待つあいだレイチェルがみんなの写真をたくさん撮ってくれた。写真がセットのツアーなのです。

さぁ、こちらがその時のわれわれの姿だ!ツアーのみなさんごめんなさい、日本で勝手に公開してしまいます。みっちょんの隣がわたし、その隣がジェニーさん。

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そしてもじもじ隊員全員は、レイチェルの指示により、ジャンプした‼︎そしたらこんなことになった。

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わたしとアメリカ人の子に奇跡のシンクロが。

もう、こんな写真がとれただけで満足だ。

でも本当の本番はこれから。いよいよ、冷たく透き通った水の中に入っていった。

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時間の流れが変わるような透明さだった。生き物はほとんどいない。

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ドライスーツに問題はなかったけれど、手袋だけが水がしみてきて手がかじかんでしまう。

あまりに冷たいので、私はずっと手術室に入る時の外科医のように両手を上にあげて泳いでいた。それで時々手をグーパーと動かしていないとほんとにかじかんでしまうのだ。

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水の流れがあるので、一生懸命泳がなくても流れていける。前にいたみっちょんが明後日の方向に「あゆたーん!」と点呼をかけていた。後ろから「なに〜?」というと、あっそっちにいたのかっとふりかえって、「ちょっと確認をしようと思って、そっちにいるとは思わなかった!」と言った。みっちょんのこういう可愛いところ大好きだ。

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時々くるっと仰向けになってラッコのように流れてみると、空とか岸辺の生き物が綺麗だなぁと思った。草とか花もあまり華やかでなくて寂しいなぁなんて昨日は思ってたけど、こんな透明で生き物のいない世界から目を向けると、そこには生命力をたたえた風景があった。命だ・・。こんなところにも。あぁなんか、綺麗な水に洗われているような気がする。


喉がかわいたら、川の水を飲んでみてくださいね、と言われていたので、一口こくっと飲む。うむ、まろやか!滋養がありそうだ。でもお腹に自信はないので一口にしておいた。

 

湖の手前で左に曲がり、そこがゴールだった。もう終わっちゃったという感じ。ジェニーさんたちも、ここは休憩場所?と言っていた。しかし水からあがると、ずっしりと身体が重かった。フィンとシュノーケルを外して、また私たちは草原を広場までてくてくと歩いた。

 

そしてまた一生懸命着替えをすると、身体がポカポカしてたのか、それともお天気で気温が上がったのかとても暖かかった。セーター1枚でぽかぽか、参加者にはホットチョコレートが配れられた。チームのみなさんとも距離感が縮まって、楽しかった。

 

 つづく。