かえってきた⭐️cui cui diary〜 ティータイムにessayを。

おもに旅日記、日々の中の新鮮さを保つこと。

熊野から十津川へ〜空の上から吉祥予報〜

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東京は小雨ちらつく日だった。

 普段は目覚ましなんかかけないので、早起きのためにアラームをセットしたら、いつ鳴るのか気になってねれなかった・・!

 

飛行機からは、綺麗な富士山が。

やっぱり富士山、好きだなあ。登りたいとは思わないけど、、

大きなもので、通り過ぎるのもゆったりと感じる。富士山と目を合わせているあいだは、心が空っぽになる。

 そして、雲には虹色の丸と、その中に乗ってる飛行機がなんかサメみたいに写ってた。

 

空の上より吉祥予報をお伝えします!

本日は良いことがあるでしょう!明日もあるでしょう!

 

そんな感じ。

すでに満足。

 

南紀白浜空港でバスがくるまで30分以上あったので、朝ごはんを食べようと唯一のレストランに入った。朝のメニューは1つだけで、本当はラーメンとか食べたかったなあ。

ここでおばあちゃんに、携帯の使い方を聞かれる。最近は道を聞かれるより携帯の使い方を聞かれる方が多い気がする・・。

 

熊野本宮行きのバスに、空港から乗ったのは、私をいれて3人だった。

空港からしばらくは海沿いを走り、そして街中へ入っていく。うとうとしてしばらくすると、なんか右足くびあたりでサワサワ〜と風が吹くような、そこだけぞわぞわする感じがしたので目を覚ます。外をみると、何とか王子と看板がみえて、熊野古道の近くにきているよう。なんか起こされたみたい。

 

空港から2時間くらいかけて、ようやく本宮大社前に到着した。ここでバスまで3時間あるので、お昼を食べて熊野本宮大社と大斎原をみる。

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大斎原(おおゆのはら)の鳥居を裏から。

この日は熊野も小雨で、それがまたよく似合うところだ。霧がかかり煙っている。たくさんのいのちうごめく気配。もののけ姫の世界。熊野は奥深く神秘的だ。

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 大斎原は、もともと熊野本宮があったところで、明治の大洪水のあと、いまの場所に移されたそう。個人的には昔、ここで和太鼓奏者の林英哲さんがライブをやり、それを家族で見に来た思い出の場所でもある。

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本宮。雨だ。本殿までの階段途中に宝物館があり、なぜかそこにボートが転がしてある。

こ、これはもしや、その明治の洪水の時に関係あるのでは、、と思って見ていると、料亭の板前のような服をぱりっと着たおじいさんがあらわれ、このボートの謂れを教えてくれた。どうやらこれは皇族(常陸宮)のもので、本宮の神主さんが殿下のボート仲間であったのでそのボートを譲り受け、置き場所なくここにこんな形で転がすように置いてあるのだという・・。よくこれを洪水と関係あるのかと思って見ていく人がいるけど違うんだ、と言っていた。そんな、洪水でここまできたなら、そりゃ地球滅亡ですわ、と言って、なるほど謎が解けました!とお礼を言った。

そのおじいさん、本殿前でも一度すれ違っていたけど、その雰囲気と目がめちゃめちゃ透き通って綺麗だなあと思った。

 

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さて、バスまではまだ時間があるので、いい感じの喫茶でのんびり。雨だし。

和歌山といえば紀州梅。梅ジュースがとっても美味しかった。梅の身をほぐした木のスプーンをガラスの器に入れると、熱でゆっくりと曇っていくのが綺麗だった。

ハガキを書くことを思いついて、かいてみる。なかなか良い時間になった。

友達のお母さんにあてて、手作りのお皿を頂いたお礼に。

 

そしていよいよ来た十津川行きの最終バス。乗客は、私だけ!

熊野から十津川村までは30分くらい。十津川村は東京都と同じ大きさがありながら、人口は3000人ほどなのだそうだ。

バスの運転手さんは生まれも育ちも十津川で、すごく面白かった。(※と思ったが、実は十津川村に方言はない(十津川は、古くから何故か勤皇の志士が多く、ここだけ非常に標準語に近い言葉になっているそうだ。)ときいて、この方は出身は十津川ではないのかもなぁ、と後から思った。)

お姉さん東京から来たってことは、大学でてるんやろ、エリートじゃな〜、東京の人はあれやろ、やっぱりみんな大学でてるんじゃろ。わしは勉強はさっぱりやな〜

というので、勉強できても心が健康のほうがいいと思う!と言うと、

でもあんまりアホはあかんやろ〜?

と、地元のガキ大将が大人になったような、めちゃめちゃ素朴で明るい太陽みたいなおじさんだった。

それで、毎日十津川の温泉入ってて肌が乾燥するから肌水を数種類ブレンドして使っている、

とか話をきいていると、地元のおじさんが1人乗ってきた。

久しぶりにバスに乗ったらしく、

運転手さんが

「犬、どうした?死んだか?」

「死んだ。12歳やった。」

「ほうか。わしものぅ、四国犬ちゅうのこうての。2匹おってな。」

四国犬か。あぁ、◯◯んとこの犬、紀州犬な、あれよう吠えるな。」

「吠えるな。バスにもよう吠えよる。」

「あれはあかんな。人に食いつきよるぞ。」

「ほんまな。こんなコロ(子犬)のときに食われたわ。」

(※方言はデタラメとなっております・・泣)

と、つづく方言の、その会話にただようものすごい味わい(?)とテンポに聞き惚れてしまった。

私が同じ内容の話を友達としたとして、こんな味はでない。

宮崎駿が、赤ちゃんの仕草をさして「こういうのも文化だから」と言っていたが、私はこの会話をききながら「これも文化だ!」と思った(?)。

なんだか耳に心地いいリズムで会話がぽんぽん続いて、私が喋ったら壊してしまう感じだった。

 

 さて、バス停からは宿の送迎車ですごい山道をとおりながら、温泉宿に到着。

迎えてくれたお宿の方も、すっごく目がきれい!なんというか、自分の内面の素朴さと近しいものを感じた。

どうか、その良さが守られますように。(そして確かに、この宿の方は方言でなく標準語のイントネーションで話されていたので、十津川の方かなぁと思った。)

 

十津川の河の音をききながら、温泉を満喫して眠りにつく。(十津川は温泉もとても良い。)

 一人暮らしして1番かわったのは、どこでも良く寝れるようになったこと。

 

明日はいよいよ神社へ。