うちのおばあちゃんは、
けっこう人の悪口をいったり、お礼を言わなかったり、人の好意にケチをつけたり、なんでも人まかせだったりします。
自分からは口を開かないし、みんなそうだと分かってるので、会話におばあちゃんだけ入らないこともよくあるし、おばあちゃんが急に話しだすと話の腰がおれる、とみんなもう思い込んでいます。
何年も何年も同じことを繰り返してきたからです。
年とともに父・ワンチャイは大人の芝居をおぼえて、母マリリンの誕生日などは、「これおばあちゃんから、いつもありがとうってさ。」とポチ袋をあげたりしています。
私はワンチャイがおばあちゃんをつついて、用意したんだろうなぁと勝手に思って見ているのですが、
ポチ袋に書かれたおばあちゃん直筆の文字をマリリンは驚きを隠せない顔でしげしげと見て、「お母さんが・・。」と言って、さっそくお礼のカードを書いたりしています。
そして何のせいか、(ワクチンの刺激なのか?)
このあいだ、いつもと違うことが起きました。
家族4人で昔からよく行く鰻屋さんに行ったとき、私がひとり遅れて行きました。
そしてひとり、腹ペコすぎてぐったりしていました。
するとおばあちゃんが急に、
「すみません。お茶を。」
と、店員さんに私のお茶を頼んでくれたのです。
・・だから何?
と思いますよね。
「すみません。お茶を。」
しかもそれは私のお茶なのです。
こんなことは、初めてでした!笑
おばあちゃんが自ら、お茶を頼んだ!
しかもそれは私のために!
家族の中に一瞬、「おぉ、、」という空気が流れました。笑
そしてごはんを食べて満足していると、
「萎れてた花がぱぁ〜っと生き返ったみたいね。」
と、私に言ったのでした。
おばあちゃんて、すごい得な性格してるなぁ。
そして、人はいつでも自分の想定外のことをする余地があるから、家族でもこういう人だって決めつけないで、余白が大事だなぁ、と思ったのでした。
余白とはつまり、聞く耳をもつということです。