かえってきた⭐️cui cui diary〜 ティータイムにessayを。

おもに旅日記、日々の中の新鮮さを保つこと。

ダイアリー22 つれづれ

壮大な夏バテから回復途中。

うまく伝えられないことがあってもやもや。

考えながら浅い眠りを重ねて朝をむかえる。

 

珍しくこの早朝の時間に外から軽いクラクションの音が聞こえた。

ふと急に、旅先の感覚が蘇る。

ニューヨークとか、ローマとかに泊まったときは、ホテルの部屋の外からこんな音が聞こえたものだ。

都会の、もう人々が活動してる音。

でもなんか、嫌じゃない活気のある音。

 

高校卒業の春休みに、おばあちゃんとツアーにのって、はじめてイタリアに行った。

そのころ私はハプスブルク家とかルイ14世とかメディチ家とかの小説にハマっていて、とにかくわくわくキュンキュンしていた。

次の春から大がでは美術史を勉強することになっている。

はじめてのイタリア、石畳の道、ホテルの部屋から見上げたローマの月。

あこがれた歴史の街にいること、恋するような気持ちで胸がはち切れそうで、センチメンタルな気持ちと無邪気な気持ちで、到着した夜にホテルの部屋のベランダからしばらく夜の空気をすい、外を眺めていた。

 

すると、目の前の道を歩く通りすがりの男性が、ふとこちらを見たので私は手を振った。

おーい!ローマに着きました、わたしはいま本当にローマにいるよー!やったぁー!

という気持ちいっぱいで。

すると、その人は手を振りかえしてくれた。

わっ!

と嬉しくて、もういっかいやる。

また振りかえしてくれる。

こんどは両手をぶんぶん振る、むこうも真似して両腕を大きくふってくれる。

わぁ〜やったぁ〜!

と私は嬉しかった。

今だって覚えてるくらい、嬉しかった。

 

はじめてのイタリア旅行は、すべてを目に焼き付けたくて、毎日寝る前にベットの中で日記をかいてた。原宿で買ったロリータの小さなメモ帳に。忘れたくなくて、眠すぎて睡魔と戦いながら、周りにあふれるイタリア語に感動しながら。

 

あの頃の新鮮な気持ちをふと思いだした。