かえってきた⭐️cui cui diary〜 ティータイムにessayを。

おもに旅日記、日々の中の新鮮さを保つこと。

ダイアリー37 自分なりということ

アメリカの社会派ドッキリ番組「What would you dou?」がある。

いつも感動して泣いてしまう。

・もし目の前で差別(人種差別、同性愛への差別、貧困への差別、障害者への差別、DVなどなど)をしている現場に居合わせたら?

など重たいテーマから、

・もし目の前で、誰も友達が来てくれない誕生日パーティーをしている親子がいたら?(10人分くらい席や料理を用意してるのに、当日誰もきてくれない。)

など、あらゆるシチュエーションで、一般の人の感情をゆさぶり、どんな対応をするかモニタリングする番組だ。

見ず知らずの人のプライベートに踏み込んだり、意見をいうのは大変に勇気がいるが、目の前に苦しんでいる人がいるときに黙っていられず、関わろうとする人たちの勇気と、温かい心にいつも感動してしまう。

そしていつも頃合いをみてレポーターが、ドッキリですよと登場すると、シリアスな現場ほどみんな驚いてほっとして、思わず本音や涙をこぼすのだった。あぁ良かった、あの人が本当に許せないと思ったの、どんな人もこんな目にあうべきじゃないわ、決して、と。

 

そんな中で、ある回では、アイスクリーム屋さんに子ども3人を連れてきた父親が、1人の子供にだけアイスを買ってあげないドッキリがあった。

理由は、野球の監督をしてる父親が、その日ミスをした子供に、お前のせいでチームは負けた、お前は負け犬なんだと叱責しているのである。

子供は健気に謝るも、自分だけアイスを買ってもらえない。

その時に、しばらく見守っていた1人の男性がそっとその父親に話しかけてこういった。

「なぁ、店の外に出て俺をボコボコにしてかまわないから、頼むからあの子にアイスを買ってやってくれないか。あんたの教育に口を出すつもりはないよ。俺が買ってもいいんだ。頼むよ。人生はただでさえ大変なものさ。あの子はいずれ自分でそれを学ぶだろう。だけどあんたこそが頼れる存在だってことも学ばなきゃならないんだ。あんたこそがあの子にとって1番大切な存在なんだから。」

と言うのだった。

その謙虚さに、泣けてしまった。

あんたは間違ってるよ子どもが可哀想だ、と対立することを考えてしまうが、この男性は父親の気持ちにも寄り添いながら語りかけているように見えた。

この男性にも息子がいるらしい。自分なりに悩み考えながら生きてきて、出来ないことだらけの中で自分なりに出来ることを全力でやるしかない、みんなが自分なりなのだ。と、自分の人生を受け入れて愛情に変えてきた人の言葉に感じた。

 

人生に正解はなくて、子どもに成功と正解を求めるのではなくて、それなり自分なりなのだ。その中でこんな優しさと強さと謙虚さを持てることが素晴らしいなと思った。